地域コミュニティ
髪がのびてきたので長部にある「みなと理容室」に行ってきました。「みなと理容室」は震災前は長部漁港のそばで営業していましたが、被災され、国道沿いの仮店舗で営業されています。戦後間もなくから長部でお店を開かれ、3代にわたってお店を継がれていらっしゃいます。
震災後大阪の方から理髪器具の提供を受け、避難所での散髪を実施、オーナーの下村さんをはじめ3人がかりで1700人の方の散髪を行ったとのこと!最後には、腕が上がらなかったそうです・・・。
ご自身も被災されたなかでの活動。その慈愛に満ちた行動とバイタリティには只々頭が下がります。
私が散髪している間ご近所のお年寄りがお店によられ、「お茶っこ」(お茶を飲んでゆっくりしていくこと)をして行かれました。気軽に立ち寄れ近況を話し合える場、震災前は市内にも「お茶っこ」ができる「みなと理容室」のような地域サロン的なお店が多く存在していたと思います。
陸前高田市では様々な事情で、従前のコミュニティ毎の仮設住宅の割り振りができなかったと言います。以前のように、個人と地域が織りなす細かいコミュニティ組織を形成するためには長い時間が必要です。ゼロからのコミュニティ形成という大きなハンディをこの町は背負っています。
生まれ育った環境で気の知れたご近所の方々に囲まれ平穏に生活するというありふれた日常がこの町では大変難しいという状況・・・・・。
コミュニティについて深く考えさせられる、大変貴重な体験を私は今させていただいています。
散髪が終わり、私も「お茶っこ」に呼ばれいろいろなお話を聞くことができました。私が自炊していることがわかると「メザシ」をお土産にいただきました。
「また店の前を通る時はお茶っこしていってね」帰りに下村さんから戴いた一言が心にしみました・・・・。
【オーナーの下村カツ子さん(右から2番目)、従業員の佐藤キセ子さん、佐藤トミエさん、お客さんの菅野チヤ子さん】
翌日「メザシ」のお礼にとお菓子の差し入れ。下村さんは不在だったのですが、また「お茶っこ」にお呼ばれいただく。さらに夕方、下村さんから「生わかめあっから取りにこない」との電話。早速いただきに上がり、最上級の食べ方であるしゃぶしゃぶにして食べました!
下村さんありがとうございました!
○追伸
生わかめをたくさんいただいたので、翌日昼食時、復幸応援センターにてプレハブ仲間?の皆さんとまたまたしゃぶしゃぶでおいしくいただきました。これだけは陸前高田の今でしかいただけませんよ!
人のつながりに感謝!陸前高田の皆さんに感謝!
中谷俊也(金沢市)