9月15日(木) 眩しかったひまわり

 今週は、東京で企業やNPOを訪問したり、国際フォーラムに参加していました。街づくりには、資金と人と知恵は欠かせません。情報を得る必要がありますので、今後も必要に応じて積極的に話を聞きたいと思います。(財)日本生態系協会主催の「復興から見える新たな日本の創造」は興味深かったです。ミズーリー州緊急事態管理庁の副長官は1993年の大洪水後のバイアウト政策(被災地の土地の買い上げ)、高台移転、湿地の復元による遊水機能の回復、引き堤などの実行策についてプレゼンテーションをしました。これは、ミズーリー州の人工構造物による治水対策からの大転換だったそうですが、バイアウトにより被災者の2重ローン問題が解消しただけでなく、高台の新しい安全な街は土地価格の上昇と経済活動の活性化をもたらし、市に税収増をもたらしたそうです。


 高い防潮堤は、維持コストが高いだけでなく、未来世代へ瓦礫を残す方法とも考えられるわけで、決して持続可能な街づくりとは言えません。2004年12月26日のスマトラ沖地震(M9.1)は、今回の東日本大震災(M9.0)より大きく、史上最悪の甚大な被害をもたらしました。2005年2月17日のカイロの国際会議(日本は不参加)で、12の原則(カイロ原則)からなる「津波災害からの復興と再建のための基本原則」が採択されました。人の住まない場所を設定し、「自然の盾(サンゴ礁砂丘、樹林帯など)」の保全・再生を謳いました。自然との共存・調和で再生を図るアジアの被災地と高い防潮堤で復興を目指す日本では、コンセプトが違うように思えました。

 
 沢山の大学生が夏休みを利用してボランティアに来ております。大学がボランティアにしっかりコミットメントしているところがあります。代表例は立教大学です。8年前から林業体験のため陸前高田に学生を派遣し、「立教の森」まであります。大震災を受け、今回は総長・副総長などが陸前高田市を訪れ、大学としてボランティア75名(1グループ15名×5回)を派遣し、生出地区(我々の宿舎がある地区)にある「炭の家」を拠点に活動をしておりました。東京での事前研修に加え、現地で毎日ミーティングをしており、大学がしっかりと責任を持って学生を教育をしている姿に感銘を受けました。


私は県立・高知工科大学客員教授をしておりますが、インターンシップ(つまり大学が単位認定をするということ)として学生2人がバスを乗り継いで来てくれました。担当教員として至らぬことは多々ありましたが、熱い学生たちとコミュニケーションを取れて本当に良かったと思います。この活動を大学にどのように広げるかを課題として与えました。立教大学の足元にも及びませんが、私なりに若者を教育したいと思いました。


 夜は生出の宿舎で「報道ステーション」を4人で見ました。お世話になっている村上富夫社長(「塩害対策の会 タネっこまくべえ」の発起人、8月8日のブログ参照)と成長したひまわりが見事に映っていました。テレ朝スタッフの想いや努力も知っているだけに、ひまわりの黄色が本当にまぶしかったです。村上社長が「全国の皆様、本当にありがとうございます。がんばっぺし」と涙をこぼしてひまわりを見つめる姿に感動しました。我々4人は直ぐに村上社長に「(感動を与えてくれた)感謝の電話」をしましたが、涙ぐんでおりました。松阪では文教経済分科会が大荒れで、その後も大変だったようですが、応援センターの4人は素敵な夜を過ごさせて頂きました。申し訳ございませんでした。


小林益久(松阪市