想いは遠く離れても

昨日の生出は、いや高田市内が、いやいや東北地方全体が、ものすごい積雪でした。
おとといの暖かさが嘘のようで、一気に真冬に逆戻りしたような景色の中、陸前高田を後にし、今は関西方面で途中下車しています。(西もやはり寒いです)
ただ、三寒四温という言葉があるように、こうやって寒暖を繰り返しながら徐々に暖かくなっていくのだと思います。



2月22日(水)、私たち復幸応援センターの3人で陸前高田災害FMに出演させていただきました。
17時からの生放送『情報Every・陸前高田』です。




【ラジオブースでの様子】



復幸応援センターの活動内容や派遣期間中のエピソードなどについて、パーソナリティの阿部さんと楽しくおしゃべりさせていただきました。
残念ながらリピート放送はないそうなので皆さんにお聴かせすることはできないのですが、普段流れている陸前高田災害FMはインターネット上で聴くことができます。
パーソナリティの皆さんは未経験者ばかりだそうなのですが、そんなことを感じさせず、また、実に素朴であたたかいおしゃべりにいつも心癒されます。

皆さん津波で大切なご家族やご友人を亡くされたそうなのですが、阿部さんは、「津波でいろんなものを失ってしまったけれど、ここは開き直ってなんでもやってやろうって思うんです。そうやって前を向いていくことで亡くなった人たちの想いにも応えられるんじゃないかと思って」と話され、「時々かむんですけどね(笑)」と笑いながら元気に活躍されています。


2月23日(木)には、気仙大工・左官伝承館からの生中継にも同行させていただきました。



【阿部さんのインタビューを受ける伝承館の金澤館長(中央)と希望の灯協議委員会の藤原会長】



阿部さん、ありがとうございました。
陸前高田災害FMの皆さんのご活躍をこれからも応援しています!


サイマルラジオ

陸前高田災害FMブログ




少し遡って、先週の日曜日はお隣の気仙沼市へ行きました。

気仙沼とその沖合にある大島をつなぐ大島航路は、震災によりその所有する船舶の多くが被災し、各地からの船舶借用によって運航されている状況が続いていました。
私の住む愛媛県新居浜市にも同名離島の大島があり、長年渡海船として使用され、現役を引退したフェリー「おおしま」が、復興支援のため、昨年11月に大島汽船株式会社へ無償譲渡されました。
その「おおしま」が1月末から運航していると聞き、その勇姿を見に行ってきました。



【フェリー「おおしま」。私も新居浜で何度も乗ったはず。】



【港に入港してくるフェリー「亀山」】



「おおしま」は、今は危険物運搬船として毎週火曜・金曜に運航していますが、3月16日(金)からは旅客としても使用されるそうです。
今回は乗れなかったけれど、次は乗ってみたいな。





さて、わずか1カ月間ではありましたが、陸前高田で過ごした時間はとても濃密なものでした。
陸前高田の皆さんのあたたかい心に触れ、歴史や文化を学び、生活を知る。
復興支援という名目で陸前高田に行きましたが、逆に励まされ、いろいろ助けていただくばかりでした。
津波で失ったものは大きいけれど、こうしてたくさんの人に出会うことができたから、こう言っちゃダメなんだろうけど、津波さんありがとう、だね」と言ってくださる方にも多くお会いし、強さと優しさ、しかしその言葉の裏にある悔しさ、深い悲しみを感じ、いつも泣きそうになっていました。
発災当時のことを尋ねることは心情的に憚られるかと思い、いつも何も聞けずにいたのですが、問わず語りに話してくれる様子の一つ一つが想像を絶するものばかりで、何もできないでいる自分に悩むことの多い日々でもありました。
しかし多くの方とお話する中で、「ぜひ、伝えて欲しい」「忘れないで欲しい」という声も多く、テレビや新聞の中だけではわからない現地の状況を知り、時にはしっかりと尋ね、そして伝えていくことも復興支援の一つなのではないかと思うようになりました。

当初は2月末日までの派遣期間であったのが若干短くなり、ようやく慣れてこれからという時に帰ってしまうことになったことで、余計に名残惜しく、あれもしたかったこれもしたかったと思うばかりです。
今まではそう思っていなかったのですが、どうやら私は結構な食いしん坊のようで、あのお店の◯◯が食べたかった、早採りわかめのしゃぶしゃぶオイシかった、などと別の方面からも気持ちが残ってしまいました。
知らない顔をしていつまでも居残ってしまおうかとも思ったのですが、ここは思い切ってスパっと帰り、その残してきた想いを胸に、度々陸前高田にやってこようと思います。
そして、陸前高田のまちが徐々に復興し、新しいまちに生まれ変わっていく姿を長い目で見守っていきたいと思います。


金曜日の帰り間際、戸羽市長と久保田副市長にお会いし、ご挨拶させていただいたのですが、久保田副市長が「想いはここに残りますからね。また来てください」とおっしゃり、まさにそのとおりだと思います。
お二人と別れ、階段を下りている途中、「帰る場所があるっていうのはいいよな」と戸羽市長が話す声が聞こえてきて、その言葉にもまた、衝撃を受けました。
派遣期間中に感じたさまざまなことを宿題として持ち帰り、つなげていけたらと思っています。


四国では想像もできない寒さにも直面し、一緒に行ったパソコンやカメラ、車たちもさんざんな目に遭っていました(笑)が、それもよい経験になりました。

相棒である中谷さん、清水さんにもお世話になりました。
こう見えて一応女性なので、余計な気遣いをさせてしまったようで、とても気の毒でした。

たくさんのありがとうを胸に、愛媛に帰ってもがんばっぺし!!




めっちゃ楽しかったね!ドラミちゃん。





ありがとう!陸前高田。大好き!陸前高田

越智 美保(愛媛県 新居浜市


追伸:戸羽市長さま

『「また来ます」って言うヤツに限ってもう来ないんだよ〜』とおっしゃられていましたが、本当に来ますよ。ホントです(笑)