旅立ちの季節
3月14日、15日の両日、陸前高田市内の中学校で卒業式が行われました。
津波で校舎が全壊し、仮校舎(旧矢作中学校)で学校生活を送っている気仙中学校(全校生徒94人)でも15日に卒業式が行われました。
式では、国歌、陸前高田市民歌を出席者全員で斉唱した後、越恵理子校長から卒業生(33名)一人ひとりに卒業証書が授与されました。
越校長は、まず国内外からの多くの支援、励ましに感謝の言葉を述べました。その後卒業生に対し、「この3年間で心も体も立派に成長した。今年度の厳しい環境での皆さんのがんばりを語らずにはいられない。今年度は深い悲しみ、喪失感からのスタートだったが、みなさんは3年生として、気仙中のリーダーとしてよくがんばった。みなさんの取り組みが、多くの人に感動と元気を与えた。」と述べました。そして、どんな困難も乗り越えて、力強く生き抜いてほしい、という思いを込めた「生かされた命を大切にすること」という言葉を卒業生に贈りました。
教育委員会告辞では、夢に向かって努力してほしいという意味を込めて「夢は未来を拓く」、PTA会長祝辞では、後悔しないように生きるという意味を込めて「今日という日を大切に、今という時間を大切に」という言葉が卒業生に贈られました。
その後、「旅立ちの言葉」では卒業生全員が、思い出や決意、感謝の言葉を述べました。子どもたちの言葉の中で印象に残ったのは、
・自分たちは生かされているということを知った。
・家族のあたたかさ、仲間の大切さ、命の大切さを知った。
・食事が出来る、温かい布団の中で寝れる、当たり前のことの幸せを知った。
・大変な状況の中でも僕たち、私たちのために弱音も吐かずがんばってくれた父、母、「僕は父のような人間になりたい」、「私は母のようになりたい」。
・形あるものは失ってしまったが、心の中の思い出、共に過ごした日々は決して忘れない。
子どもたちの言葉を聞いていて、つらく、しんどい一年であったと思いますが、しかし、日々がんばってきた中で、やさしさや思いやり、感謝の心を持ったさらに強い人間に成長していると感じました。
【全校生徒で支援への感謝と復興を担う決意を込めた合唱曲「空〜ぼくらの第二章〜」を披露】
卒業生33名の今後の活躍を願わずにはいられません。どんな困難も乗り越えて力強く生きていけると信じています。それぞれの道で、それぞれの夢を、ぜひ叶えてください。