一刻千金

 4月1日から始まった私の陸前高田市復幸応援センターでの活動も、本日をもって任期満了となります。本当にあっという間でした。それはきっと、この陸前高田で出会ったすべての方のやさしさに助けられたからだと思います。


 振り返れば、着任して最初の1週間は毎朝うっすらと雪が積もるほどの寒さでした。現在は天気のいい日の昼間だと半袖で過ごせるくらいになりましたが、それでも私の地元である埼玉県より1カ月ほど季節の進みが遅いようで、陸前高田は今まさに春の花の季節を迎えたところです。








 被災した沿岸地域など、厳しい環境の中で、色とりどりの花がたくましく元気に咲いているその姿は、東日本大震災からの復興に向け力強く立ち上がった陸前高田の人々の姿と重なって見えました。


 しかし現状は厳しいもので、人々は明るく前向きに生きていますが、被災した街の復興はハード・ソフト共にまだまだ進んでいません。大震災後初めて来た3月中旬から今日までの間では、目に見えるような大きな変化はなかったように思います。
 それでも、新たなお店や再開したお店、道路などの復旧の話をポツポツと耳にすると、一歩ずつではありますが前に進んでいるのかなとも感じます。


 一日も早い復興を願わずにはいられません。



 陸前高田で過ごしたこの2カ月間、かけがえのない経験をさせていただきました。短い期間で果たしてどれだけ復興支援と言えるようなことができたのか、自問自答することもありますが、この経験を今後の自分に生かしたいし、生かさなければならないと思っています。




 いち陸前高田ファンとして、また必ず帰ってきます。
 ありがとうございました。



古畑良健(埼玉県北本市