アロサウルスから防災を考える

 8月11日から米崎地区コミュニティーセンターにおいて、陸前高田市立博物館等の主催による「震災復興・国立科学博物館コラボミュージアムin陸前高田」が開催され、国立科学博物館所蔵の恐竜アロサウルスの実物全身骨格化石や陸前高田市に関する標本資料が展示されています。
 岩手県は恐竜研究の発祥の地ともいえ、1978年に日本で始めて恐竜化石が発見され、モシリュウと呼ばれています。また、今回の展示でも今年、岩手県で発見された恐竜の歯が展示されています。
 このアロサウルスの化石は50年ほど前にアメリカから寄贈されたもので、明治時代に渡米した小川勇吉さんという方が大変尽力されたのですが、私と同じ三重県出身とのことで、恐竜研究発祥の地で同郷の方が深く関わった化石を見ることに不思議なご縁を感じました。
 8月19日まで開催されていますので、全長7.1メートルのアロサウルスの大迫力を体験しに行かれてはいかがでしょうか。入館は無料です。



【1億5000千万年前よりやってきたアロサウルス


 陸前高田市には市立博物館のほか、海と貝のミュージアムという施設があり、あわせて約26万点あった収蔵品の半数ほどをがれきや泥の中から回収し、全国の博物館などの協力を得て、修復が行われています。
 郷土の文化や歴史を住民に伝えてくれる貴重な資料がなければ、画一的なまちとなってしまいます。生活の復興は当然に最優先すべきものですが、その中で「私たちの故郷」というものを語り継いでいけるよう、文化行政の災害時の備えの重要さを語られていた会場スタッフの方の言葉が重く響きました。


川合 正晃(三重県松阪市