「復幸支縁」善光寺出開帳〜回向柱に気仙杉〜

 23日(じぞう)10:00より陸前高田市気仙町にて「斧入れ式」が行われました。
 東日本大震災復幸支縁として、4月27日〜5月19日まで『東京両国の回向院』で『信州善光寺の出開帳』が開催されます。
その際、回向柱に陸前高田市の気仙杉が使われます。高さ30m超・樹齢110年余の気仙杉を木挽棟梁・佐藤直志さん(79歳)により伐採された。


 「斧入れ式」で善光寺代表役員寺務総長は、「被災地の早期復興を願う。伐採した気仙杉は回向柱として生まれ変わり、多くに人々と仏様、被災地を結ぶ絆のシンボルとなる。震災から二年が過ぎ過去のものとなりつつある。もう一度震災を思い出してもらい、懸命に努力している皆様を思い起こしてもらいたい。一日も早い被災地復興を願います。」とあいさつ。


 善光寺とは、以前より高田松原の被災松を活用した親子地蔵制作等を通じて村上製材所を中心に交流があった。材料となる気仙杉は、被災者の住宅再建や道路整備に向けた造成により伐採予定のものを活用。


※出開帳:普段拝することのできない寺院本尊などを地方に出張し、一定期間拝むことができるように祀ること。
 今回は、東日本大震災被災者の皆様に、如来様との結縁により復興の光を届けたい、という思いを込めた「復幸支縁」として戦後初の開催。収益は、震災被災地の復興に充てる方針。
 期間中は、一光三尊・阿弥陀如来像・釈迦涅槃像等を開帳。特に、ほとんど公開されたことのない出開帳仏のお姿が拝めます。また、「復幸支縁」ということから陸前高田市の気仙杉を使い回向柱が立てられます。


※回向柱:信州善光寺における御開帳(数え年で七年に一度行われる盛儀)では、松代藩が現在の本堂建立の際、普請奉行にあたったというご縁から、毎回松代町から回向柱が奉納され、本堂前に立てられます。
 高さ10メートルの回向柱には、前立本尊の右の御手に結ばれた金糸が善の綱となって結ばれ、柱に触れる人々に「御仏のお慈悲」を伝えてくれます。
 今回の出開帳では、6〜8メートルの回向柱が立てられる予定。


佐藤直志さん



苅田 篤史(北海道・登別市