”まち”の原点

 陸前高田市気仙町今泉地区では、550戸のうち津波の影響を受けなかったのは、たったの1戸であった。津波により一瞬にして、今までのまちは消え去った。
 そのような中、以前家のあった土地に再建しようと、昨年8月に1軒が完成し、このほど、それに呼応するように、2件目の上棟式が27日行われた。来月には、3軒目が着工される予定。今回の建築は、元大工の施主とその仲間の直営によるもの。
 ここに再建を決意した人達は言う。『昔の人は、ここに住もうと1軒から家を建ててきた。そして、人が集まり家が建ち、それが村となりまちとなってきた。そうして今泉という地区ができてきた。我々がここに家を建てることにより、新しい今泉の歴史を作っていく。』と・・・。
 ”まち”の原点を見た2日間であった。




井上 浩一(京都府京丹後市