合掌絆地蔵が完成in松阪市

 3月8日、三重県松阪市において、新たな陸前高田市との絆が誕生しました。
 その絆は、「合掌絆地蔵」です。
 津波により流された陸前高田市高田松原の松の木で制作された「合掌絆地蔵」が完成し、松阪市の岡寺山継松寺においてお披露目式が行われました。
 「合掌絆地蔵」は、公益社団法人松阪青年会議所により制作が企画され、昨年9月1日の防災フェスタ会場でノミ入れ式を行い、籔内佐斗司さん(東京藝術大学大学院教授、「せんとくん」を手掛けられた方です)により制作されました。
 実は、籔内さんは、35年前にも松阪青年会議所主催の「松阪彫刻シンポジウム」に参加され、今も松阪市内に作品が置かれています。また、江戸時代の高田松原の植林には松阪市出身者が関わっていた歴史があり、松を継ぐ寺と書く継松寺に安置することとなり、様々なご縁を感じさせる今回の地蔵制作でした。
 お披露目式には、籔内さん、そして、陸前高田市から村上製材所の村上社長ご夫妻も参加されました。村上さんは、「震災の記憶が風化していくことは人間だから仕方がない。『忘れないで』とは言いません。けれども、たまには少しでも『思い出して』ください。」と話されました。
 会場では参加者がろうそくに火をともして「夢」の文字をつくり、「合掌絆地蔵」が地域の夢や絆となっていくことが祈念されました。



 【お披露目式1】



 【お披露目式2】



 【お披露目式3】


 このお披露目式に先立って、村上さんご夫妻は松阪市役所を訪問され、山中市長や小林副市長(復幸応援センターの初代センター長です)と懇談されました。
 村上さんからは、全国からの支援に対する感謝や、復興がなかなか進まない現状について、山中市長からは、被災地の方々から学ぶことが多くあり今後も支援の輪を広げる取り組みを進めていくことなど、様々な意見交換が行われました。(写真でご夫妻がお持ちの表札(松阪市役所市長室などで使用中)も、被災松で制作したもので、字は書道家松阪市職員によるものです。)
 細くても長い支援を、これからも松阪市でも続けていきます。



 【村上ご夫妻が松阪市役所を訪問】


 川合 正晃(三重県松阪市、昨年8〜9月派遣)