なりわいの再生

 本日の地元紙に、「雪っこ再デビュー」という記事がありました。これは、陸前高田市高田町にあった国登録有形文化財の社屋、工場、酒蔵をすべて流失した酔仙酒造株式会社の人気商品であった「雪っこ」の震災後初出荷を伝える記事です。


 同業者である奥州市前沢区の岩手銘醸株式会社の協力のもと、一関市千厩町にある同社の工場設備を借り受けて生産したものです。岩手が一丸となってなりわいの再生・復興に向かってつき進んでいるように感じました。


 「雪っこ」の缶には、生産された千厩町の住所だけでなく、全壊した本社があった陸前高田市高田町大石の住所も記載されています。「酔仙の心はあくまで陸前高田に」との心意気を示したもののようです。フタのところには「ご支援に感謝 再デビュー 福幸生原酒 雪っこ」と書かれたシールが貼られています。


 私たち「陸前高田市復幸応援センター」のスタッフが当地に来たときには、センター近くには数軒のコンビニの他には何もありませんでした。その後、仮設のスーパーなどが徐々に設置され、廻りの環境も変化してきました。なりわいの再生を肌で感じながら、日々の生活を送っています。


深田政己(松阪市