たかたの書道ガールズ

 毎週木曜日の夜に米崎小学校仮設住宅の集会所の片隅をお借りして開いている子育て支援イベント「たがだのわらしBa」の打合せ会に出かけた際に、偶然の出会いがありました。
 毎晩その集会所で勉強しているという2人の高校生が、足に墨をつけて帰ってきました。彼女たちこそ、「たかたの書道ガールズ」つまり高田高校書道部員だったのです。
 書道ガールズの話の前に、なぜ彼女たちが毎晩8時前から集会所で勉強しているかということに触れておきます。少し考えれば解ることですが、自分の家では参考書や教科書・ノートを広げられる机が無いのです。というより、狭い仮設住宅では、机があっても置くスペースが無く、家族が寝起き・食事をして生活をしている場では、勉強する自分専用のスペースを確保することが難しいのでしょう。集会所には、机がありますが、いろんな人が会議や相談をしており、集中力が必要です。そんな中でひたむきに頑張っている彼女たちに1つ目のエールを贈ります。

 さて、四国中央市は「書道ガールズのまち」です。愛媛県立三島高校の書道部を中心とした実話に基づき、昨年、映画「書道ガールズ〜私たちの甲子園〜」ができました。四国中央市では、毎年夏に「書道パフォーマンス甲子園大会」を開催しており、今年は全国から15校が出場して、川之江体育館で7月31日に第4回大会を開きました。優勝が大分高校、準優勝が五日市高校で、わが母校川之江高校も入賞しました。

書道パフォーマンス甲子園 http://shodo-performance.jp/~Shodo/
書道ガールズ http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/

 こちらに来て以来気になっていた「たかたの書道ガールズ」に出会ったので、早速顧問の先生に連絡をとってもらって大船渡へ行き、岩手県立高田高校の書道ガールズ6名の部活動の場にお邪魔しました。
 津波で校舎が使えなくなった高田高校は、学校統合で空いていた大船渡東高校萱中校舎を借りて授業を行っています。ところが、学校の規模が合わないので十分な特別教室や部活動の場所が確保できていません。有難い事に、地元の方々のご厚意で学校のすぐ近くの町場公民館をお借りでき、そこで書道部と美術部が何とか部活動をできるようになったそうです。

 部員は3年生が1名、2年生が2名、1年生が3名の計6名で、顧問は滝川先生です。高校総合文化祭に出展する作品をようやく書き終え、発送したところで「一段落!」といったところでした。今年は、8月末の復興まちづくりイベントの会場でも、市民の前でプチ書道パフォーマンスを披露したそうです。
 いつの日か「たかたの書道ガールズ」がわが町の大会に参加してくれ、堂々としたパフォーマンスを披露してくれる日が来る事を楽しみにしています。
大西賢治四国中央市

陸前高田市の今の様子は、四国中央市の派遣職員ブログでも紹介しています。
http://scc.shikokuchuo.jp/~Huk/