復興への歩みはこれからも

 25日(日)朝、長部小学校で体育館の掃除に来ていたバレーボールチームの子どもたちに、クリスマスプレゼント代わりにお菓子を配布させていただきました(サンタの格好はやめておきました)。茅ヶ崎市からいただいたチョコレートと新居浜市からいただいたタルトの詰め合わせです。ここには津波で流された気仙小学校のバレーボールチームの子どもたちも来ています。

【竹内さん(登別市)と若林さん(茅ヶ崎市)から手渡されました】


 その後、気仙町のにじのライブラリーで行われた「クリスマスおはなし会」に参加。絵本の読み聞かせ、記念撮影、プレゼント配布が行われました。何とここに女優の上野樹里さんが来て、絵本の読み聞かせをしてくれました!しかしながら、本人の写真は撮ってはいけないとのことです。

【本人登場前の会場の様子】


 私の派遣期間も残り3日となった24日(土)、やり残したことがないよう陸前高田市災害ボランティアセンターを通して瓦礫撤去のボランティアに参加してきました。
 この日は気仙町にあった気仙小学校の裏山付近の瓦礫を撤去。ここは重機が通れない地域なので、人海戦術で瓦礫を分別しながら重機が入れる場所まで移動させなくてはいけません。

【集積所の様子(木片、コンクリート、燃えるごみ、燃えないごみなど分別)】


 写真では伝わらないとは思いますが、重いブロック塀のかたまりや木片を一輪車に乗せて、バランスをとりながら集積所まで運ぶのは一苦労です。皆汗をかきながら黙々と作業。私は、翌日筋肉痛になりましたが、いい運動になりました。いい運動といえばこの日、唯一?学生で参加していた2人組に出会いました。


 リハビリとダイエットのために来ましたと言っていたのは、東京都小平市にある嘉悦大学4年の鈴木くん。1月にバイク事故に遭ったとか。作業後、りんごをまるごとほお張っていました(いいキャラです)。
 もう一人の好青年は、同じく嘉悦大学4年の河村くん。彼は東京都小金井市に住んでいますが、鈴木くんの実家が世界遺産になった平泉町にあることから、学生生活最後に陸前高田でボランティアをすることにしたそうです。2人はこの日から3日間ボランティア作業をするそうです。
 今回のグループは若い男性ボランティアが少なかったので、2人のように動ける方がいて大変作業がはかどりました。

嘉悦大学4年の鈴木くん(左)と河村くん(右)】


 昼休憩、私は昼ごはんがなく(買いに行くのが面倒だったので)飴をなめて凌ごうかと思っていたら、埼玉県大宮市から来た若いご夫婦?がおにぎりとパンとお菓子までくださいました。ボランティアに来る方は皆、本当に親切です!



【痛々しい姿ながらも立ち続ける希望の一本松】


 いよいよ、私の当センター派遣期間も本日で最後になります。
 長かったような短かったような2ヶ月、でも確実に言えるのは本当に中身の濃い、充実した2ヶ月でした。
 はじめは、宿舎が山奥で部屋が寒いとかすぐブレーカが落ちるとかシャワーがないとかお湯が出ないとか、不自由な生活に慣れるのに苦労しましたが、ここで出会った方々、一人ひとりが思いもよらない苦労を抱え、それでも前向きに歩まれてる姿に逆に励まされました。このまちの方のために2ヶ月で何ができたかというと、実際何の力にもなれなかったかもしれません。でも、出会えて本当によかったと思える方ばかりでしたし、ここで生活できてよかったと感謝しています。
 震災後9ヶ月がたち、まちの瓦礫はほとんどきれいに片付けられています。しかしながら、復興には10年かかるとも言われています。何もなくなったからこそ、このまちには多くの可能性が秘められています。今後も細くてもいいから、できるだけ長く多くの方の支援が必要です。また何度かこのまちに戻ってくるかもしれませんが、復興した陸前高田を必ずこの目で見たいと思います。陸前高田の皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました!


冬は必ず春となる
がんばっぺし!陸前高田
またいつか必ず!


村井将昭(稲城市