仮設住宅生活の声

 陸前高田市仮設住宅で、最大級の戸数が設置されたモビリアで、縫いっこサークルに集まった方に、お話を聞きました。
 モビリアでは、3つの集会所がありそのうちのひとつ東地区集会所で開催されたもの。縫物をしていると同じ体勢で長時間集中していくため、今回は、始める前に軽い運動をするよう、インストラクターから指導をうけた。
 本日集まったのは、60代から70代の8人で、10人いるサークルには98歳の方もおられるとか。
 この縫いっこサークルは、仮設住宅で生活している方のつぶやきがもとで2011年11月から始まった。
 本日は、我々センター職員のほか他の支援団体から1人の青年も参加させていただいたことから、軽い運動の後はおしゃべり会としていろいろとお話をしてだいた。


聞かせていただいた声として
・生活するには不自由がある。どうしても以前の家のほうがよい。しかし、2年が過ぎようとするなか、気持ちをだせるように少しずつしなければならないと思っている。
・みな、心の中に重いものを持っている。
・4.5畳の仮設住宅の部屋では、家族といると狭い。縫いっこ始め、みんなで集えることができ、集会所は茶の間のように広くてよい。
・あきらめることも大切だと思う。
・気を使わずにお茶を飲めるところはここだけ。
・前(災害の)はすることがあった。でも、仮設住宅の生活は、何もすることがないから、何かしなければという気持ち。


 また、仮設住宅の広さの関係で、それまで孫と一緒に暮らしていたが、子供家族と離れた仮設住宅に一人で住み、精神的にまいってしまい、救急車を呼ばなければならない事態になったというようなこともあった。


 あの津波から2年が経とうとしている中、被災地では、まだ仮設住宅暮らしを余議なくされている。その中でも、気持ちを前向きにもとうと、そこで暮らしている方は思っている。実際に触れ合う中で、精神面でのケアなど、まだまだ支援を行うことは多くあると痛烈に感じるものであった。


モビリア仮設住宅 東地区集会所にて


井上 浩一(京都府京丹後市